音も見た目もレトロなレコード、コロナ禍でも健闘
経済・ビジネス 文化 音楽 社会
コンパクトディスク(CD)が音楽配信に押され苦戦する一方で、アナログディスク(LPレコード)の人気が復活している。柔らかな音質、ジャケットの美しさが見直され、静かなブームとなっている。LPの持つレトロ感にひかれる若い世代も出てきた。
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日本レコード協会によると、アナログディスク生産数量は2009年の10万2000枚を底にほぼ一貫して増加。19年には121万9000枚にまで回復した。20年は新型コロナウイルスの逆風が吹き、前年比10%減の109万5000枚と落ち込んだものの、21%減のCDと比べ健闘したといえる。
金額ベースでは1%減にとどまり、CDの15%減に比べ底固さを示した。11~20年の10年間を見ると、CDの右肩下がりとは対照的に、レコード生産は順調に伸びている。ディスクの材質にこだわった高音質盤を投入するなどで、金額の伸びは数量を上回って推移する。(以下の2枚のグラフは縦軸の数字が異なる)
デジタル方式のCDは幅広い音声周波数帯域、雑音の少なさ、音量の増減を忠実に再現できるダイナミックレンジといった、数値で計測できる特性ではアナログディスクをしのぐ。レコードは盤面の中心部で「内周ひずみ」が発生するのも弱点の一つ。音質を保つには、内周部を使わず収録時間を片面20分ほどに抑えねばならない。LPはロングプレーの略称だが、収録時間80分ほどのCDにはかなわない。
CDと比べ不利な点もあるLPだが、若者に人気のアーティストがLPでも新曲を出す例もあり、ファン層が広がりつつある。
LP全盛期にレコードプロデューサーとして活躍した脇田信彦さん(75)は「昔のLPの復刻盤作りで、後輩から助言を求められることもある」と打ち明ける。「その際、ジャケットやライナーノーツ(解説文)、写真など、全て昔のままにするよう求められる」そうだ。「若い人たちは、音の魅力より、部屋に飾ってインスタ映えするジャケットにひかれるのでは」と語る。
アナログディスクとCDの比較
アナログディスク | CD | |
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音質 |
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収録時間 | 両面で最大1時間 | 最大80分 |
使い勝手 |
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大きさ・趣味性 |
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バナー写真 : PIXTA