山岳遭難、死者・行方不明は60歳以上が7割 : 複数登山と比べ、単独は危険
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GPS機能付のスマートフォンは、万が一、遭難した際には現在地を速やかに伝えることができ、救援要請手段として有効。ただ、山の中では、携帯電話の電波が届かないエリアも多く、油断と慢心は禁物だ。バッテリー残量にも要注意!
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警察庁のまとめによると、2019年に発生した山岳遭難は2531件で、遭難者数は2937人。統計の残る1961年以降最も多かった2018年と比べて件数・人数ともに減少したものの、依然として高水準にある。
グラフからは、件数・人数が増加基調にある一方で、死者・行方不明者はほぼ横ばいで推移していることが読み取れる。携帯電話のアンテナの整備が進み、通話可能エリアが拡大したことから、かつては現場で解決していたような案件が容易に通報しやすくなったことが、件数増の要因一つと言われている。
遭難者の年齢層別の内訳を見ると、70歳代(22.7%)が最も多く、60歳代(21.8%)、50歳代(15.4%)と続く。死者・行方不明者では60代以上が7割強を占めるなどシニアの事故が目立つ。
複数登山での遭難者における死者・行方不明者の割合が6.5%であるのに対し、単独登山における遭難者1117人のうち、死者・行方不明者は180人と16.1%に上る。単独登山は、トラブル発生時の対処がグループ登山に比べて困難になることが多いことを念頭に、信頼できるリーダーを中心として複数人による登山が望ましいという。
警察庁では、気象条件や体力に見合った登山計画を立てるとともに、素早い捜索救助の手掛かりとなるよう、登山計画書や登山届を家族や職場にも共有し、登山口の登山届ポストに提出するよう呼び掛けている。
バナー写真:ぱくたそ