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がん5年生存率66.4%に : 乳がん、前立腺がんは90%超

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「がん=不治の病」だったのは過去のこと。新薬が開発され、治療技術も進化している。国立がん研究センターが65万件のデータを分析して部位ごとの5年生存率を公表した。

国立がん研究センターは2010~11年にがんと診断された患者が5年後に生存していた確率は66.4%だったと発表した。がん治療の拠点病院など318施設で診断を受けた約65万人のデータを基に、がん以外の死因の影響を除いて集計した。5年生存率は治癒の目安とされている。09~10年の患者の生存率に比べ、0.3ポイント上昇した。13年にがんと診断された患者の3年生存率は、がん全体で72.4%(前年比0.3ポイント上昇)だった。

  3年生存率 5年生存率
全体 72.4 66.4
76.3 71.4
大腸 78.6 72.6
肝臓 54.2 40.4
肺・気管 51.7 41.4
女性乳房 95.3 92.2
食道 55.0 45.7
すい臓 18.0 9.8
前立腺 99.1 98.8
子宮頚部 79.0 75.0
子宮体部 85.6 82.2
膀胱(ぼうこう) 72.3 68.4
喉頭 85.6 80.6
胆のう 34.0 29.3
腎臓 85.5 80.1
腎う尿管 56.2 49.0

出所 : 国立がん研究センター

部位別では、前立腺、女性乳房は5年生存率が9割以上と高かった半面、早期発見が難しいすい臓は、3年が18.0%、5年生存率が9.8%だった。

15種類のがんについて、ステージ(進行度)別の生存率も公表。早い段階で発見するほど、生存確率が高まることが分かる。主要5部位のステージ別5年生存率は以下の通り。

同センターが生存率を患者の年齢別に分析したところ、同じステージであっても若年の患者の方が生存率が高く、高齢になると低い傾向があった。がん以外の重とくな病気にかかっていたり、体力が低下したりしていて負担のかかる治療ができないケースがあることも一因と考えられる。同センターでは「がん生存率は予後を考える一つの資料で、患者本人の健康状態をより把握している医師らに相談することが大切」としている。

バナー写真 : PIXTA

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