富士登山の7割は吉田ルート : 18年は雨天影響し登山者2割減
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7月1日、富士山が山開きした。日本一高く、末広がりで美しく均整の取れた富士山は、日本を象徴する山として、日本人にはもちろんのこと、近年は訪日外国人の登山も増えている。
山頂へ至る登山ルートは、吉田、須走、御殿場、富士宮の4つ。それぞれ登山口が異なり、難易度にも差があるので、登山前に自分に合うコースを考えることが重要だ。登山ルートごとに標識などの色が統一されているので、登山中は目印にするとよいという。
吉田 | 首都圏からのアクセスがよく、富士登山客の約7割がこのルートを利用する。登山道には山小屋が多く、初心者には安心だが、混雑は覚悟 |
須走 | 樹林帯コース。見通しが利かないため、夜間や濃霧時は道に迷わないよう注意。火山砂利の下山道を一直線に下る「砂走り」がある |
御殿場 | 出発点の標高が低く、山頂までの距離が長い。他ルートに比べて山小屋が少ないため、トイレや休憩場所を確保しづらい。火山砂利を下る「大砂走り」の下山がダイナミック |
富士宮 | 最も標高の高い位置から出発するため、山頂までの距離が短いが、全体的に傾斜が急で岩場が多い |
「富士登山オフィシャルサイト」記述などを参考に編集部作成。ルート名欄の色は登山道の標識などに使われている色に合わせた。
環境省のまとめによると、2018年の開山期間(7月1日~9月10日)に8合目を通過した登山者は20万8161人だった。富士宮ルートで赤外線カウンターの不具合により約1カ月間の欠測期間があったが、同省によるとその間の富士宮ルートからの登山者数は2万人程度と推定され、欠測がなかったとしても、17年よりも2割程度少なかった。18年夏は長雨、台風接近などの荒天が多く、登山客の出足に影響した模様だ。
登山道別では、山梨県側の吉田ルートが15万845人と全体の約7割を占めた。静岡県側の須走ルートが2万6696人、御殿場ルートが1万1792人だった、富士宮ルートが1万8828人(但し、1カ月弱の欠測期間あり)だった。
遠くからは、なだらかでゆったりとした山に見えるが、富士山は岩場や傾斜のきつい場所も多く、高山病の危険もある。2017年は87人が遭難、うち7人が死亡した(死亡者は全て夏山期間外の登山)。環境省富士箱根伊豆国立公園管理事務所、山梨県、静岡県などは「万全の装備を整え、気象情報を把握し、安全登山の基本を守ってほしい。体力や登山知識のない場合は、絶対に単独行動は避けるように」と呼びかけている。
バナー写真:時事