初夏の富良野の丘を彩るラベンダー畑
Guideto Japan
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ラベンダーは地中海沿岸を原産とするシソ科のハーブ。ラベンダーを原料とする天然香料はアロマセラピーにも使われ、緊張をほぐし、気分を穏やかにするリラックス効果があるとされている。ラベンダー畑を散策しながら、すがすがしい風を思い切り吸い込めば、日ごろのストレスから開放されて、リフレッシュできるはず。
富良野エリアでは、花の見ごろの6月~8月下旬ころまでほとんどの花畑が無休・無料開放されている。ラベンダー観光発祥の農園と言われるファーム富田など3カ所の花畑を紹介する。
ラベンダーを満喫できる花のテーマパーク:ファーム富田
富良野地方で本格的なラベンダーの栽培が始まったのは終戦後の1952年頃のこと。天然香料の原料として60年代は栽培面積が拡大したが、70年代に入ると合成香料の技術進歩や、安価な輸入香料の台頭でラベンダーオイルの買い取り価格が下がり、生産農家は次々と撤退した。
そんな中で地道にラベンダーの生産を続けていたファーム富田のラベンダー畑が1976年の国鉄(分割民営化前のJRグループ)のカレンダーに採用されたことで、全国からアマチュアカメラマンが「あの景色を撮りたい」と押し寄せるようになった。「香料原料から、見て楽しむ観光農園へ」――ファーム富田が新たな道を切り開いたことが、富良野の丘が再び紫色に染まるきっかけとなった。
花色の異なる4種類のラベンダーが紫色のグラデーションを作り出す畑や、針葉樹の深い緑色の背景にラベンダーと色とりどりの草花が競演する畑など、エリアごとに異なる花の表情を楽しめるよう工夫されている。
園内ではラベンダーからエッセンシャルオイルを抽出する国内唯一の蒸留工場を見学できるほか、好きな香りでしおりを作成する体験コーナー、国内最大規模のドライフラワーアレンジメントの展示などさまざまな趣向が凝らされている。ポプリやドライフラワーなどオリジナル商品の販売も充実しており、さながら、ラベンダーのテーマパークのよう。
ラベンダーエキス入りのオリジナルソフトクリームはさっぱりとした味わいで、暑い日にぴったり。
インスタ映え間違いなし! ラベンダー畑でラベンダー色のソフトクリーム
●Data
- 住所 : 北海道空知群中富良野町基線北15号
- TEL:0167-39-3939
- 料金:入園無料・駐車場無料
- 開場時間:花畑と駐車場は24時間開放だが、カフェ、売店等は時期により営業時間が異なるので注意
- アクセス:JR富良野線の「中富良野」駅徒歩25分(タクシー5分)、夏季臨時列車「富良野・美瑛ノロッコ号」のみ停車する「ラベンダー畑」駅徒歩7分
リフトに乗ってお花畑を空中散歩:中富良野町営ラベンダー園
中富良野町のシンボルである北星山(ほくせいやま)。冬は町営スキー場のゲレンデとなる斜面が、夏は紫色に染まる。スキー場のリフトを活用して、ラベンダー畑の上を空中散歩できるのが最大の特徴。リフトから見下ろすラベンダー畑は、目線の高さで見るのとはまた違う美しさ。遠くの山々まで見渡せる下りリフトからの眺望も絶品。
●Data
- 住所:北海道空知群中富良野町宮町1番41号
- アクセス : JR富良野線「中富良野」駅徒歩10分
- 料金:入園無料・駐車場無料
- 観光リフト:8月31日まで、午前9時~午後6時まで営業(高校生以上往復400円、小中学生200円)
- 問い合わせ先:0167-44-2123(中富良野町役場産業建設課産業係)
恋人たちの聖地:日の出公園ラベンダー園
丘の上の展望台からは360度の大パノラマを楽しめる。北西に向かって一面にラベンダー畑が広がり、東側には雄大な十勝連峰が間近に迫る。ラベンダー畑の中にある真っ白な「愛の鐘」を恋人と一緒に打つと2人は幸せになれると言われており、カップルで訪れる人や、白いウエディングドレスで記念撮影する人の姿も。
併設のオートキャンプ場も設備が充実して人気。泊まりがけでゆっくりとラベンダー畑を散策するのもおすすめ。
●Data
- 住所:北海道空知群上富良野町東1線北27号
- アクセス : JR富良野線上富良野駅徒歩15分
- 料金:入園無料・駐車場無料
- 問い合わせ先:0167-45-6983(上富良野町役場企画商工観光課商工観光班)
写真=前田 明裕
(バナー写真:ファーム富田のラベンダー畑)