水の都・大阪の景色を「アクアライナー」で川面から眺める【動画】
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京都経由で琵琶湖の水が流れ込む淀川や古都・奈良から流れる大和川、そして2つの川が注ぐ大阪湾など、水運の拠点があったために古くから商業が発展してきた町・大阪。江戸時代には幕府の直轄地となり、市街地に張り巡らされた水路沿いには各藩の蔵屋敷が置かれ、経済の成長に伴って独自の上方文化も繁栄した。明治時代には海外輸出の利便性などから大規模な工場が川沿いや湾岸地帯に立ち並び、「水の都」と呼ばれていた。近代的な大都市となった現在も、大阪市域面積の約1割は水面が占め、水の都は健在である。
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周遊観光でも、移動手段としても楽しめる
「水都・大阪の古くから栄えてきた地域や、近代的な高層ビルが立ち並ぶエリアを、アクアライナーで水上から楽しんでもらえたらうれしいです」
大阪水上バス企画担当の岸田氏は、そう話す。「アクアライナー」は、大阪の中心地を流れる大川(旧淀川)を巡る観光船だ。水上で船内アナウンスに耳を傾けながら、大阪のシンボル・大阪城から、高層ビルと文化芸術スポットが集まる中之島、ウオーターフロントの大規模複合施設「OAP大阪アメニティパーク)」、春には造幣局の桜並木の景観まで眺められると人気になっている。
アクアライナーの乗り場は寝屋川沿いの大阪城港、中之島観光に便利な淀屋橋港、天満橋近くの八軒家浜船着場、限定運航となるOAP港の4カ所。大川を約55分かけて周遊し、乗船した港に戻る「大阪城・中之島めぐり」が基本コースとなっている。
途中の港で下船することも可能な区間コースを、「移動+観光」として利用する人も少なくない。例えば、大阪城を観光した後に中之島へ向かう場合、アクアライナーに乗船すれが地上よりも低い川面から天守閣を見上げられ、ビル群や中央公会堂を眺めながら淀屋橋港まで行くことができるのだ。
景色を堪能できるように工夫された船内
アクアライナーの船内は窓が大きく、座席上部の天井もガラス張りになっている。大阪の町並みが眺めやすい上に、低い橋をくぐる際には間近に橋の裏側を見ることもできるので、最近は「橋裏ファン」と呼ばれる乗客も増えているとか。
その天井には珍しい機能がある。大川は海が近いため、潮位によって川の水位も変化する。満潮時でも低い橋を安全にくぐれるよう、天井高を30センチほど下げられるようになっているのだ。水位に関係なく、OAP港から大阪城港へ向かう途中に天井を下げるデモンストレーションを見せてくれるので、興味がある人はその区間を利用してみよう。
船内ではジュースやアルコール飲料、菓子などが販売され、トイレも完備しているので観光を兼ねた休憩時間としても最適だ。乗務員が記念写真の撮影をしてくれるので、気軽に声を掛けてみよう。
春には造幣局や桜ノ宮エリア、大阪城付近の川沿いに、桜の花が美しく咲き誇る。チャータークルーズも可能なので、大阪観光にはアクアライナーを上手に活用したい。
【DATA】
- 運航ルート:大阪城港を出発した場合 大阪城港→淀屋橋港→八軒家浜船着場→OAP港→大阪城港
- 「大阪城・中之島めぐり」料金:1700円(小学生850円)、※3月28日~4月15日の春期特別期間は2000円(小学生1000円) ※大阪周遊パスで利用可能
- 区間割引乗船料:大阪城港を出発した場合 区間Aコース(次の港まで)=940円(小学生470円)、区間Bコース(3つ先の港まで)=1360円(小学生680円)、区間Cコース(2つ先の港まで)=1190円(小学生600円) ※春期特別期間は割増料金
大阪城港
- 出航時刻:午前10時から1時間間隔で午後4時発まで(4~9月の最終便は午後5時発)
- アクセス:JR環状線「大阪城公園駅」より徒歩2分。地下鉄・長堀鶴見緑地線「大阪ビジネスパーク駅」より徒歩5分
淀屋橋港
- 出航時刻:午前10時20分から1時間間隔で午後3時20分発まで(4~9月の最終便は午後4時20分発)
- アクセス:地下鉄御堂筋線・京阪「淀屋橋駅」より徒歩1分
八軒家浜船着場
- 出航時刻:午前10時30分から1時間間隔で午後3時30分発まで(4~9月の最終便は午後4時30分発)
- アクセス:地下鉄谷町線・京阪「天満橋駅」17番出口より徒歩1分
OAP港
- 出航時刻:4月は毎日運航。3月と5~12月は土日祝のみの限定運航で、1~2月は休港。午前10時40分から1時間間隔で午後3時40分発まで(4~9月の土日祝の最終便は午後4時40分発)
- アクセス:JR環状線「桜ノ宮駅」より徒歩10分。JR東西線「大阪天満宮駅」より徒歩7分。地下鉄谷町線・堺筋線「南森町駅」より徒歩10分
※料金や運航情報は公式ホームページなどで要確認
取材・文=藤井 和幸(96BOX)
写真=黒岩 正和、藤井 和幸(96BOX)