【これぞビフテキ】湖畔のランバーハウス ライカ北紀行 ―大沼公園― 第92回

A5ランクの米沢牛を山形の産地で味わったことがある。たしかに柔らかく美味かったが、これなら大沼牛も負けていないな、と。

冬ともなれば、山頂からふもとまでノンストップで2本ほど滑って大沼のスキー場をあとに、湖畔の雪にうもれた丸太小屋、ランバーハウスに急ぐ。

駒ヶ岳を望み、一気に滑り降りる醍醐味が味わえる大沼スキー場(2010)
駒ヶ岳を望み、一気に滑り降りる爽快感が味わえる大沼スキー場(2010)

そこで、地元産の大沼牛のビフテキに食らいつくのだ。素材の旨味、甘みをひきだしたシンプルなここのステーキ。米沢牛にくらべて歯ごたえがある。肉を食べている実感がある。肉のうまさは、等級だけではないと思っている。

オーナー自ら組みあげた丸太小屋に通って30年あまり。このところは、スキーで4キロほどを一気に滑り下りる元気もどこへやら。森のなかの一軒家・ランバーハウスにたむろし、そこにながれる空気を楽しんでいる。

昭和の香り漂う外観のランバーハウス(2020)
昭和の香り漂う外観のランバーハウス(2020)

頭が赤く大柄なクラゲラに出会ったことがある。なんと丸太小屋をリズミカルにドラミング、よくひびく。だが、カメラにはピントぼけのクマゲラ。なかなか姿を見かけない天然記念物に興奮したのだ。

自然に囲まれたなかで年輪をかさねた小屋、素朴で美味いビフテキ、夫婦とも赤ワインが好きで、今もちょこっとセクシーな奥さん。なにも変わらない素敵な空間と味わいがここにある。

これぞビフテキ(2022)
これぞビフテキ(2022)

●道案内
ランバーハウス JR大沼公園駅より車で10分(地図へ

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