【これぞビフテキ】湖畔のランバーハウス ライカ北紀行 ―大沼公園― 第92回
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A5ランクの米沢牛を山形の産地で味わったことがある。たしかに柔らかく美味かったが、これなら大沼牛も負けていないな、と。
冬ともなれば、山頂からふもとまでノンストップで2本ほど滑って大沼のスキー場をあとに、湖畔の雪にうもれた丸太小屋、ランバーハウスに急ぐ。
そこで、地元産の大沼牛のビフテキに食らいつくのだ。素材の旨味、甘みをひきだしたシンプルなここのステーキ。米沢牛にくらべて歯ごたえがある。肉を食べている実感がある。肉のうまさは、等級だけではないと思っている。
オーナー自ら組みあげた丸太小屋に通って30年あまり。このところは、スキーで4キロほどを一気に滑り下りる元気もどこへやら。森のなかの一軒家・ランバーハウスにたむろし、そこにながれる空気を楽しんでいる。
頭が赤く大柄なクラゲラに出会ったことがある。なんと丸太小屋をリズミカルにドラミング、よくひびく。だが、カメラにはピントぼけのクマゲラ。なかなか姿を見かけない天然記念物に興奮したのだ。
自然に囲まれたなかで年輪をかさねた小屋、素朴で美味いビフテキ、夫婦とも赤ワインが好きで、今もちょこっとセクシーな奥さん。なにも変わらない素敵な空間と味わいがここにある。
●道案内
ランバーハウス JR大沼公園駅より車で10分(地図へ)