ニッポンの城

【日本100名城®】熊本県・人吉城

歴史

人吉城は、12世紀末に相良長頼(さがら・ながより)が鎌倉幕府の地頭に任命されてから19世紀の明治維新までの約700年間、この地を治めた相良氏の居城。城内の家老の屋敷跡から全国でも珍しい井戸のある地下室が発見された。

熊本県・人吉城

  • 築城年:1199年
  • 初代城主:相良長頼(さがら・ながより)
  • 主な見どころ:多門櫓(たもんやぐら)角櫓(すみやぐら)=復元=、はね出し石垣、地下室遺構
  • 料金:人吉城歴史館210円(一般)。2020年7月の豪雨被害のため休館
  • 所在地:熊本県人吉市麓町
  • 公式HPなど:人吉城歴史館(人吉市)

人吉を700年間治めた相良氏の居城

人吉城は、相良長頼が地頭としてこの地に入ったときに築城したと伝えられる。戦国時代の15~16世紀に何度か大規模な改修が行われ、現在の形になった。築城の際に三日月の文様の石が出土したため、「繊月城」(せんげつしろ)の別名を持つ。球磨川とその支流を天然の堀として、水運を活用する川の城という特徴もあった。

1600年の関ケ原の戦いで当初は西軍寄りだったが、当時の家老、相良清兵衛の気転で戦いの本番では徳川方の東軍に入り、相良家は人吉の領主の立場を守った。約700年間居城を変えずに領地を治めた城主は非常にまれだ。

近年の発掘調査で家老屋敷跡から、全国でも珍しい井戸のある地下室の遺構が発見された。屋敷跡に人吉城歴史館が建てられ、地下室も見学できたが、2020年7月の豪雨災害により休館している。

熊本県の城

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バナー写真:人吉城跡(PIXTA)

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