多言語発信サイト「nippon.com」開設にあたって

2011年10月
一般財団法人ニッポンドットコム
代表理事 原野 城治

グローバル化の時代における日本の将来が、世界との共生にかかっていることは疑いもありません。

しかし、政治、経済的な相互依存関係の拡大は、意外なほど不安定であることも国際社会が実証しています。1980年代以降に進展した経済の国際化の中で、私たちは多くの国際紛争や経済的な地域主義(リージョナリズム)の台頭を目撃してきました。

一方、2011年3月11日に起きた東日本大震災は、福島第一原子力発電所事故を誘発した戦後最大にして未曽有の災害であり、21世紀の日本の在り方、その将来に大きな課題を投げかけました。

私たちは、そうした状況の中で多言語発信サイト「nippon.com」を立ち上げることにしました。1990年代のバブル崩壊以後、日本が“内向き”志向になったといわれてから、すでに20年以上が経とうとしています。最近では、外交的にも「無神経な国」になったのではないかとさえ指摘され始めています。

しかし、世界から日本への関心が減じたわけではありません。世界の共通価値の形成や普遍的な文化の育成に対する日本への期待には根強いものがあります。

私たち「nippon.com」が目指すのは、民間の立場から日本の等身大の実情を世界各国の人々に知ってもらうとともに、日本文化に内在する普遍性を通じて世界のために貢献できるようにしていくことです。その底流にあるのは、人間の正直さや正義に裏打ちされた「多様性」と、困難な時代に向き合う粘り強い精神だと考えています。

新サイトのコンテンツはすべて自社制作です。先入観を排除し、現実を虚心坦懐に見つめ、歴史を忘れずに、良質なコンテンツ作りをしていきます。何よりも、基本は“独立不羈”であり新鮮な感覚、柔らかい頭で挑戦することが、私たちに課せられた使命だと考えております。

多言語サイトのスタートは、日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、フランス語、スペイン語の5カ国語で行います。しかし、近い将来、ロシア語、アラビア語を加え、国連公用語6カ国語プラス日本語の7カ国語で、世界の60億を超える人々にインターネットを通じて発信していく計画です。立ち上げの運営にあたっては、日本財団の全面的な支援、助成をいただいています。

原野 城治日本人は「縁」を大事にしてきました。今それをもう一度、しっかりと振り返る必要があります。「縁」は世界を巡り巡って、また自分のところ、つまり日本へ帰ってきます。相互依存の時代だからこそ、「nippon.com」を通じた世界との「縁」を大事にしていきます。

もう一つ、日本には古くから「打ち水」という習慣があります。暑い夏だけでなく、いつの季節にも軒先に水を撒く習慣は、家先を清めて人を迎え入れるもてなしの心の表現です。新しいサイトのスタートに際し、私たちは、「打ち水」の心で仕事を行い、責任を果たしていく覚悟です。

世界中の多くの人々に、できるだけ多く閲覧していただくことを心からお願い申し上げます。

nippon.comをチェックする
バナーエリア
  • 白石隆の「論点」
  • nippon.comコラム
  • Behind the News
  • JAPAN DATA
バナーエリア2
  • JAPAN ECHO
  • digimarc